社会情勢から見るフリーランスの需要と供給の関係

近年、フリーランスという働き方が社会的にも注目されるようになり、一般には需要がある職業であるとは聞くけれど、実際のところはどうなのだろうか、という不安を抱えている方も多いと思います。
ここでは、現状のフリーランスの需要と供給の関係について、社会情勢の面から考察していきます。

近年のビジネス社会情勢とITの関係

WEBやシステムに関連する需要の増加

近年、インターネットの普及は言わずもがな、スマートフォンやタブレット端末の普及によってエンドユーザーにとってWEBの世界は非常に身近な存在として認識されるようになりました。
以前は雑誌や新聞から情報を得るのが常識だった世界が、インターネットとパソコンの普及によって関心度が高いものはパソコンを使った検索が便利だと認識されるようになりました。さらに、スマートフォンやタブレット端末が普及によって検索行為がより手軽に行えるようになり、今では、情報は気になったらすぐにWEBから収集するのが常識になっています。

そのため、あらゆる企業はWEBを使っていかにエンドユーザーに自分たちの事業を知ってもらい、商品やサービスを利用してもらうかということに頭を悩ませています。
公式サイトや公式アカウントといった自分のWEBエリアを構築することはもちろん、運用上のWEB対策として競合企業に打ち勝つためのSEO対策、エンドユーザー同士の拡散が期待できるSNSの活用など、あらゆるWEBに関連する需要が高まっています。
さらに、顧客情報がデータとして管理しやすくなった社会背景を受けて、業務効率化のシステム開発に対する需要も高まっています。

企業のWEBに対する価値観の変化

近年の社会情勢から、WEB媒体の価値観が変わってきています
。今までは「自社検索をかけられた時の顔として存在していると印象が良い」という程度の認識だったものが、今では「有力な広告媒体であると同時に協力な営業ツール」として考えられるようになりました。
そのため、WEB制作では単なる静的なコンテンツページを用意しておけば良いという考えではなく、いかに自分たちで運用していくかという風に考えられるようになりました。
つまり、イニシャルコストだけでなくランニングコストをかけるだけの価値があるという風に認識されるようになったのです。

企業の需要増加に対して専門家の数が追いついていない

先に述べた通り、社会的にWEBやシステムに対する関心と需要は日々増加しています。しかし、この需要に対して問題解決ができる専門家の数が圧倒的に足りていないという状況が発生しています。
例えば、爆発的にWEBに対する需要が高まった背景として、SNSの普及やiphoneやAndroidを始めとするスマートフォンの普及が挙げられます。しかし、今では当たり前に普及しているTwitterが日本に上陸したのは2008年のことで、安定したライフラインとして爆発的な普及が始まったのが2011年の東日本大震災以降のことと記憶に新しいのです。Facebookも日本に上陸したのは2008年、爆発的に普及が確認されたのは2011年のジャスミン革命(※1)以降です。スマートフォンも初期リリースは2007年、iphone4s以降SoftbankだけではなくKDDIからも発売されることが決定したことにより、日本で爆発的にiphoneが普及したのが2011年のことです。つまり、WEBの需要が高まるようになってからまだ10年足らずしか経っておらず、この爆発的な需要増加に対応できるような企業の体制づくりは追いついていないのです。
実際に、日本には430万以上の企業がありますが、そのうち情報サービス業を事業としている企業は2万社程度、受託ソフトウェア開発事業を事業としている会社は約半数なので1万社程度、WEB制作・運用に特化した企業となるとさらに少ない数となります。
社会の需要に対して、圧倒的に専門家の数が少ないということがわかりますね。

※1ジャスミン革命
2010年~2011年、チュニジアで発生した独裁政権打倒運動は多くのイスラム圏に波及してジャスミン革命と呼ばれた。この運動での情報交換のためにFacebookが大きな役割を果たし「Facebook革命」とすらいわれた。これは全世界でFacebookの認知度を高めた。

フリーランスの需要と供給

WEBやシステム開発などに関連する需要がありつつ、パートナーとして付き合える企業数が少ないという状況が、「実力さえあれば個人でも構わない」という企業の考えを後押ししています。
また、そういった社会的な背景だけではなく、企業としては「必要な人材を必要な時間だけ」采配することで柔軟な人件費の削減ができるというメリットがあることもフリーランスの需要を高めている理由の一つです。

近年、メディアでもたびたび取り上げられたことにより、フリーランスという働き方がより広く一般的に知られるようになりました。それに伴い、フリーランスの数も増えてきてはいます。しかし、まだまだ圧倒的に需要の方が大きいのです。
この理由として、WEB上でのビジネスがまだまだ発展途上にあるということが言えます。
例えば、WEBがエンドユーザーにとって身近になったことにより、WEB上だけでの案件ではなく、ハンドメイドや伝統工芸PRなど、WEBを通して個人が直接エンドユーザーに何かを販売するビジネスが注目され始め、個人規模のネットビジネスが新しいビジネスとして広まりつつあります。
WEBを通してできることが増えたことにより、今後さらにこういった新しいネットビジネスの増加が見込まれ、それに伴うWEBに関する需要が高まることが想定されています。



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