フリーランスなら知っておきたい開業準備に役立つ情報

フリーランスとして独立する際に知っておきたい、開業準備に役立つ情報をまとめました。

開業届けは開業準備前に出しておくとメリットが大きい

開業届けは、新たに事業を行うことになったことを税務署に届け出る書類のことです。これは税務署の窓口で受け取ることができます。
この開業届けですが、提出期限は事業開始から1ヶ月以内とされています。しかし、提出期限を過ぎても特に罰則などがないため、「わざわざ出さずとも・・・」と開業届けを出さないまま事業を進めている方もいらっしゃいます。
役所関係の手続きに赴くのは時間がかかるし気が乗らないという気持ちはわかりますが、これは実は開業準備前に開業届けを出しておいたほうがメリットが大きいので、今から開業を考えている方はまず最初に開業届けを出しに行きましょう。
また、すでに事業を開始していて開業届けを出していない方は、開業届けを出すことで個人事業主として受けられる各種制度がありますので、今からでも開業届けを出しに行きましょう。
開業届けを提出した事実と開業届けの控えを持っていると、以下のようなメリットがあります。

銀行口座やクレジットカードを屋号名で作ることができる

開業届を出す際、あなたの会社の屋号を設定することができます。屋号とはあなたの会社・店舗の名前のことです。
開業届けの控えを持って銀行に行くと、開業届けに記載してある屋号で銀行口座を作ることができます。厳密に言えば、「屋号付口座」と呼ばれる「屋号(事業名)+個人名」となる口座なのですが、事業用の口座であることが一目瞭然な口座を作ることができるのです。
一般に、個人用の口座と事業用口座を合わせて使う場合、生活費と事業経費が混同してしまうため、帳簿付けの際に生活費と事業経費の項目を仕分けるという手間が発生してしまいます。そのため、多くの方は個人用と事業用で口座をきっぱりと分けるのですが、同じ個人名の口座が2つよりも屋号付口座のほうが、どちらが個人用でどちらが事業用かが明確でわかりやすいのです。
また、フリーランスの事業取引時に、相手の信頼を得やすいというメリットもあります。実際には屋号付口座を作るための特別な審査などは無いのですが、社会通念上、個人名口座よりも会社名口座を使っている人の方が「ちゃんとしている」印象が強いのです。これは、銀行の審査を通った企業(実際には企業ではなく個人事業主の屋号なのですが)は、銀行から見て「一定の収支計画があり安定していると判断された」「反社会的勢力との関わりが無いことが確認された」という認識があるためです。クライアントも様々で、こういったことを気にする方もいらっしゃいますので、最初から信用力が高い屋号名で口座やカードは作っておきましょう。

小規模企業共済にすぐに加入することができる

小規模企業共済制度をご存知でしょうか。

小規模企業共済制度
小規模企業共済制度は、個人事業をやめられたとき、会社等の役員を退職したとき、個人事業の廃業などにより共同経営者を退任したときなどの生活資金等をあらかじめ積み立てておくための共済制度です。
小規模企業共済法に基づき、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

つまり、簡単に言えば個人事業主や小規模企業を対象とした退職金積立制度です。
掛金月額は、1,000円から7万円までの範囲(500円刻み)で自由に選ぶことができ、3年以上連続して加入していると、掛金より共済金が上回ります。
また、掛金は税法上、全額が「小規模企業共済等掛金控除」として課税対象となる所得から控除されるため、小規模企業共済制度は「将来への備え」と「節税対策」の面から非常に有効な制度として多くの方が加入されています。
ただ、この小規模企業共済制度には制度を存続させるためのルールがあり、解約時には掛金納付月数に応じて、掛金合計額の80%~120%相当が受け取ることができることとなっています。この割合の算出方法により、掛金納付月数が20年未満の場合は、受取額が掛金合計額を下回ってしまうのです。そのため、加入者はできるだけ早く加入して掛金納付を始めることが、有事の際により多くの受取金額を受け取るためには必要なのです。
小規模企業共済は、開業届けの控えがあれば加入することができます。また、掛け金は自由に変更することができますので、最初の事業収入が安定するまでの間は1,000円など無理の無い積立を行い、事業が安定してからは収入額に見合った積立を行うことで、20年の掛金納付を無理なく積み立てることができるのです。

開業準備費という経費項目がある

開業準備費の概要

開業準備費の制度は、開業日から事業開始日までの間で発生した、開業のための準備にかかるお金を通常の消耗品費、雑費といった項目ではなく、開業準備費という特別枠の経費とすることができるという内容です。

開業準備費とすることのメリット

では、どうして消耗品費や雑費としてではなく開業準備費とすると良いのでしょうか?
それは、開業準備費は繰越資産として、事業後5年以内の範囲であればいつでも好きな時に経費として計上することができる、という特徴を持っているからです。
開業して1年目は地盤固めの年です。いきなりうまく利益が上がれば、通常の経費として支出時に全て計上してしまっても問題がありません。しかし、なかなか利益が上がらなかった場合、同じように通常の経費として支出時に全て計上してしまうと、少ない収益に対して、開業時にかかったイニシャルコストが全部乗っかるかたちになりますので、赤字になりやすいのです。
また、1年目の収入より、2年〜5年目の方が収益は上がることが多いので、収益が少ない時は繰越資産として持っておいて、収益が上がった時に計上することで節税効果もあります。

開業準備費の例

開業準備費には、例えば以下のようなものが含まれます。
・開業セールなど開業したことを周知するためのチラシ代
・パンフレット代
・名刺代
・看板代
・打ち合わせ代(飲食費、交通費)
・事業用印鑑代
・文房具や事務備品代
・書籍などの新聞図書代





青色申告なら10万円以上ではなく30万円以下の経費は即時売却できる

青色申告を選択されたフリーランスの場合、「少額減価償却の特例」という制度が認められます。白色申告を選択された方は、パソコンやコピー機、有料システムといった10万円以上の経費が発生した場合は何年もの期間をかけて減価償却費として毎年経費計上していく必要があります。
この「少額減価償却の特例」では、1組あたり30万円未満の経費であれば、経費発生年に一括して経費計上してしまうことができるという制度になります。
他にも青色申告を選択することで、白色申告時よりも優遇される内容がいくつもあります。
近年では経理ソフトを使うことによって初心者でも簡単に青色申告を行うことができますので、開業時にはぜひ青色申告を選択しておきましょう。



助成金・補助金制度を活用する

事業を行う上で、注目したいのが助成金・補助金制度です。助成金・補助金は、日本経済の活性化のため、新しく事業を立ち上げようとしている人の経費の一部を国・地方自治体が負担するという制度です。助成金・補助金は返済義務がありませんので、イニシャルコストがかかる開業時にはぜひ活用したい制度です。
世の中には様々な助成金・補助金の制度がありますが、どれも自ら申請を行わないともらえないものです。対象者がシングルマザーや高齢者に限定されているものもあります。
その年の市場動向によって新しい制度ができたり、逆に今まであった制度がなくなったりしますので、まずは、今現在ある制度の中で、自分がどんな助成金を受け取る資格があるのかを調べておきましょう。

まとめ

開業前に知っておくと役立つ情報について見てきましたが如何だったでしょうか?
フリーランスとして活動を始めることは、あなたにとって未知の領域へ踏み出す第一歩です。
その時に、「知っている」か「知らない」かで損をすることがないように参考にしていただければと思います。

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