フリーランスは確定申告に備えて帳簿の月締めをする習慣をつけよう

フリーランスで働く人にとって、確定申告は1年に1度の最大イベントです。帳簿に間違いはないか、領収書は全て揃っているか、など気を揉む要素が盛りだくさんです。
特に、フリーランス1年生は自分にとって全くの未知である初めての確定申告にドキドキしてしまいますよね。
通常のフリーランスの業務の合間に、月締する習慣をつけることによって、こういった確定申告にかかる心の負担を減らすことができます。

月締めとは

月締めとは、月のある決まった日にちに1ヶ月分の経理を一括して行うことです。ここでの具体的な経理の内容としては、1ヶ月分の「帳簿の締め切り」のことです。
普段から収入支出があるたびに帳簿記入ができるマメな方なら帳簿の未記入が溜まるといったことは無いでしょう。
しかし、フリーランスとして活動するとなると、案件内の業務と自分の経理・事務仕事との両方をやらなくてはならないため、なかなかマメに帳簿記入をするということが難しいのです。
ですから、少なくとも毎月1日だけは月締めのために時間を設けることで、普段は案件の業務に集中し、月締めの時間だけは経理に集中する、というメリハリをつけた働き方をしましょう。

月締めをするメリット

間違いに気づきやすくなる

月締めを行う一番のメリットは、1ヶ月ごとの収入・支出をまとめるため、計算が合わなかったり記入漏れがあったりという帳簿の間違いに気づきやすくなるということです。
仮に何か数字が合わないということがあったとしても、1ヶ月分の自分の記憶を辿るだけで良いので「先々月までの帳簿は合っているから、先月のどこかで漏れか間違いがあるはず・・・」とおおよその検討をつけることができるのです。
これが、年末年始に1年分の帳簿をつけようとすると、当然間違いがあった時には1年間の記憶を振り返らなくてはいけません。さすがに、1年間の自分の収入・支出を覚えていることはできませんよね。よって、どこで何の数字が間違っているのか、漏れているのか、そもそもどの時点で間違いが発生したのかの目処すらつかず、頭を抱えることとなるのです。

確定申告の準備が非常に楽になる

月締めを行うことで、「確実に帳簿が合っている」「確実に領収書等の添付書類も揃っている」という確証が得られます。そのため、確定申告を行う時には会計ソフトを使って少ない労力で確定申告用フォーマットが出来上がりますので、それを印刷して提出するだけで確定申告を終えることができます。会計ソフトで付け加える項目としては、医療費の総額や家事鞍部のパーセンテージ、その年に支払った社会保険料の入力といったその年を通しての入力項目を画面のアナウンスに従ってカタカタと入力していくだけですので、早い方だと確認・入力も込めて1時間もかかりません。
毎年確定申告の時期が近づくにつれて「あぁ今年も確定申告の時期がやってきた・・・」と気を重くする必要が無くなるのです。

月締めを始めるための準備

確定申告に対応した帳簿ソフトを導入する

まずは、会計ソフトを導入しましょう。
会計ソフトはクラウド型のタイプのものが良いでしょう。
フリーランスとして、パソコンを趣味ではなく仕事として使うのであれば、パソコンの3~5年での買い替えが必要になります。パソコン本体にインストールするタイプのソフトだと、その都度再インストールをしたり、データの移動(帳簿は7年の保管義務があります)をしたりと色々とやっかりなので、クラウド型でどのパソコン、タブレット、スマートフォンからでも利用できるようにしておくと後々便利です。
私は有名な「やよいシリーズ」の会計ソフトを使っています。
大手で利用者数がNO1を誇るだけあって、機能が充実しており、画面のユーザーインターフェースもなかなか考えられていて使い易いです。
科目のカスタマイズやよく使う入力をテンプレート化したりもできるので、自分がより使い易いソフトに育てていけるという点も嬉しいですね。
他のソフトは使ったことがありませんが、やよいシリーズで不満が無く、イメージキャプチャのクオリティを見ても特に他のソフトに乗り換える気にならないので、会計ソフトとしてはかなり優秀なシリーズだと思います。
これから会計ソフトの導入を考えられる方は、やよいシリーズを入れておけば間違いありません。



月締め箱を用意する

月締め箱とは、一見するとただの箱です。この箱の中に、1ヶ月分の帳簿に必要な書類を全て入ることによって、紛失することなく月締めまで書類を管理できるというものです。
要するに、箱を1つ用意しておき、収入・支出が起きた時に出た書類をその中に全て入れておくのです。
領収証、医療費の領収証、水道光熱費の明細、クレジットカードの引き落とし明細、請求書のコピーも全てとりあえず箱に入れてしまいます。
1ヶ月分の書類はそうスペースを取るほどかさばりませんので、作業デスクの脇などに箱を用意しておけば、億劫にならずに確実に書類を蓄積していくことができます。

月締めの前日までに行っておくこと

封筒を買っておく

月締めを行う際に、封筒があると管理がしやすくなります。A4が折りたたまずに入る大きい封筒と、A4を3つ折りにして入る程度の小さめの封筒の2種類を用意しておきましょう。
客先に出す用途ではありませんので上等な紙質のものを用意する必要はありません。100円ショップなどに売っている大量に入った安価な封筒で大丈夫です。

月締め対象月の事業用口座の通帳記入をしておく

水道光熱費といった支出は口座引き落としにされている方も多いですよね。
何らかの支出が現金ではなく口座から直接出ている場合の記入も行うため、月締めを行う日までに対象月の口座の通帳記入を行っておきましょう。

月締めの手順

売り上げを集計・入力

まず最初に収入の部から始めましょう。
月締め箱の中から、収入に関する書類をピックアップします。
あらかじめ通帳記入をしておいた口座の情報と照らし合わせながら、メモ帳に以下のような売掛・売上一覧を作りましょう。

<売掛>
請求日付 振込日付 クライアント名 金額 案件名

<売上>
売上日付 クライアント名 金額 案件名

一覧が作れたならば、会計ソフトにログインして、売掛・売上情報を全て入力します。
入力が終わったら合計金額に間違いが無いか確認して、売上の帳簿月締めは完了です。
帳簿記入に使った書類一式は、7年間の保管義務があります。あらかじめ用意しておいた小さい方の封筒にボールペンで「○月 売掛・売上」と書き、その中に入力済みの書類を全て入れておきましょう。

事業に関連の無い項目を「事業主貸」で入力していく

次に支出の部を入力します。入力を始める前に、事業用口座から私用の出費(例えば生活費の引き出し額や事業用クレジットカードで私物を買った額など)を整理しましょう。
事業用のお金を個人使用したときの科目は「事業主貸」になります。

やよいシリーズでは入力画面内に「よく使う取引」というボタンがあります。そのボタンを押すと入力欄が表示されますので、そこに「生活費」「個人」といったキーワードを入力することで、「事業用口座からの生活費引き出し」「事業用クレジットカードの個人使用」といった、あらかじめ用意されていたテンプレートを使うことができます。
こういった便利機能を使うことで、より月締めが簡単に間違いなくできるようになります。ぜひ活用していきましょう。

月締め箱のレシートや請求明細書などを科目ごとのブロックにまとめる

次は事業用の支出を入力していきます。
入力は科目ごとに行うと、間違いにくく確認がしやすくなります。なので、まずは月締め箱に入っているレシートや請求明細書を科目ごとのブロックに分けていきましょう。

「通信費」としてインターネット代の請求書、電話代の請求書をまとめる。
「地代家賃」として家賃の請求書をまとめる。
「水道光熱費」として水道代、ガス代、電気代の使用明細書をまとめる。
「新聞図書代」として書籍購入などのレシートをまとめる。
「消耗品費」として事務用品購入などのレシートをまとめる。

こういった分類でブロックごとに分けていきます。

まとめたブロックを1つずつ入力していく

全てのレシート、請求明細書などをブロックに分けたなら、いよいよ入力を始めていきます。
会計ソフトの支出のタブを開き、科目ごとに入力を行っていきましょう。
1科目の入力が完了したら合計金額を照らし合わせて間違いが無いか確認しましょう。
帳簿記入に使った書類一式は、収入の部と同様に7年間の保管義務があります。あらかじめ用意しておいた小さい方の封筒にボールペンで「○月 【科目名】」を書き、その中に入力済みの書類を全て入れておきましょう。

すべての封筒をまとめる

これまでのステップを行うと、「○月 売掛・売上」「○月 【科目名】」と書かれた小さい封筒がたくさんできましたね。
これらの封筒は、あらかじめ用意した大きい封筒に「○月 月締め」と書いて、その中に全て入れておきましょう。

医療費の月締め

医療費の月締めを行います。
医療費は1家庭で年間10万円を超えたときに控除が受けられますので自分だけではなく家族の分の領収書も計算に入れていきます。
Excel,Numbersといった表計算ソフトで、その月発生した医療費をまとめていきましょう。
入力が終わった後は、小さい封筒に「○月 医療費」と書いた封筒に領収書を入れ、大きい封筒に「医療費」と書いてその中に小さい封筒を入れておきましょう。

健康保険料や年金の支払い領収書の保管

健康保険料や年金の支払いを行ったら、その領収書は保管しておきましょう。確定申告のフォーマットを作る際に入力項目として必要となります。
封筒に「社会保険料など」と書いてその中に領収書を入れておきましょう。

月締めを終える

これで月締め完了です。各種封筒は無くさないように保管しておきましょう。

まとめ

ここまで、月締めを行うメリットと月締めの手順について見てきました。
確定申告の時期に、一気に1年分の収支計算をしようとするから確定申告の気が重たくなるのです。普段から、1ヶ月ごとに少しずつ着実に収支計算することによって、確定申告の時期に慌てずに対処することができます。
フリーランスとして働くいていくのであれば、確定申告に備えて普段日頃からの帳簿の月締めをする習慣をつけましょう。



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