職場でハラスメントはなぜ起こるのか?ハラスメントの本質と起きる原因について

近年、深刻な問題となっているハラスメント。あなたもハラスメント被害に遭ってしまった経験はありませんか?その際に「どうしてこのようなハラスメントは起きるのだろうか?」と考えた事はありませんか?
ここでは、どうしてハラスメントが職場で起きるのかということを、「ハラスメントの本質」と「社会的な背景から見たハラスメントを引き起こしている理由」を紐解くことで見ていきます。

職場で起きるハラスメント

ハラスメント(harassment)は直訳で「嫌がらせ」となります。
職場では、以下のようなハラスメントが発生しやすいと言われています。

セクシャルハラスメント

性的な嫌がらせのことをセクシャルハラスメント(sexualharassment)と言います。
わいせつ行為や、性交渉の強要、容姿や結婚、出産に関する情報を執拗に聞き出すといった行為もセクシャルハラスメントとして扱われます。
男性から女性への嫌がらせという認識が強いですが、女性から男性への性的な嫌がらせもセクシャルハラスメントに該当します。

パワーハラスメント

会社などの縦社会組織で、職権や地位を利用した嫌がらせのことをパワーハラスメント(powerharassment)と言います。
大勢の前での執拗な叱責、無理難題の押し付け、公私混同な査定評価、業務に関連のない暴言、社内いじめ、酒の強要といった行為がパワーハラスメントとして扱われます。

セカンドハラスメント

ハラスメントの実態を上司や会社に告発したことを発端として、会社が被害者に対して重ねて行う嫌がらせのことをセカンドハラスメント(secondharassment)と言います。
隠蔽工作や事実確認と称しながらも被害者から「ハラスメントは勘違いであった」という言質を取るような誘導質問をしたり、被害者が会社に居づらくなるような嫌がらせを行うことがセカンドハラスメントとして扱われます。

ソーシャルメディアハラスメント

FacebookやTwitter、ブログといったソーシャルメディアを利用して相手を監視したり圧力をかけることをソーシャルメディアハラスメント(socialmediaharassment)と言います。これは近年増えてきた新しいハラスメントです。
相手が嫌がることをわかっていながらも執拗にコンタクトをとったり、ソーシャルメディアを通して相手を常時監視、自由な発言ができないように圧力をかけたりといった行為がソーシャルメディアハラスメントとして扱われます。

職場でハラスメントが起きる理由

どうしてハラスメントの問題は無くならないのでしょうか?
ハラスメント問題の背景にあるのが「経営環境の変化」「従業員の思想の変化」「社会認知度の変化」と言われています。

経営環境の変化

経営環境の変化とは、近年グローバル化が進む中で経営難に苦しむ企業が増えており、激化する価格競争に参入するために業績を無理に追い詰めたり、人材の教育費をカットしたり、1人あたりの業務量を増やしたりといった海外に対抗するための経営対策を行う企業が増えてきたという変化です。
日本の企業は世界的に見ても人件費が非常に高いです。しかし、世界で売り上げを伸ばしているのは値段の安い外国企業の商品であり、高額で高品質な日本企業の商品は、その品質の良さから評価はされるけれど今ひとつ爆発的なヒットを飛ばすことが難しいのです。そのため、従来の価格設定では海外の企業に業績を追い抜かれるといった企業も少なくありません。しかし、商品の価格を下げるというのは容易なことではありません。給料を減らす方法で人件費を下げることが難しい以上、1人あたりの業務量を増やしたり、人材教育をカットすることで対応しようとしているのです。しかし、普通に考えて1人あたりの業務量が増えれば管理職は部下の管理に目が行き届かなくなりますし、人材教育が正しくされていない場合は、社会的モラルが無い人がそのまま何も学ぶことなく勤続年数を増やしてしまいます。その結果、職場のコミュニケーション不足や過労ストレス、重圧からの余裕のなさや社会的モラルの欠如から、上司や先輩社員が部下に当たってしまうということが起きてしまうのです。

従業員の思想の変化

従業員の思想の変化とは、「価値観の変化」といったほうがしっくりくるかもしれません。例えば、あなたが小学生のころは「手書き」に対する抵抗はありましたか?多くの方は授業ではノートを使い、ちょっとしたやりとりはメモや手紙を使うことが多かったのではありませんか?手で文字を書く機会が多かったため、それほど抵抗は少なかったことと思います。しかし、現在は程度の差はあれど「手書き」に対する抵抗がある小学生が増えています。これは、近年では授業にタブレット端末が積極的に導入され、スマートフォンを始めとする携帯端末を持っている子供が増えたことで、「手書き」ではなく「入力」する機会が増えたことにより、いざ文字を書くとなると、漢字が出てこなかったり、読みやすい文字が書けなかったりすることで「手書き」に抵抗を覚える子供が増えているそうです。
これは極端な例ですが、こういった社会的な背景が違う環境で育ってきたことで、あなたと、あなたとは年の離れた先輩や上司の方との間には必ず何かしらの価値観の違いが存在しています。年齢によって価値観の違いがあることは近年に限ったことではないのですが、それでも以前は職場内のコミュニケーションが活発だったことから、話を聞いて驚くことはあっても、それぞれの価値観の違いをお互いに受け入れることが容易でした。しかし、近年では職場内の人間関係自体が希薄でコミュニケーションも不足がちなため、そういった価値観の違いをお互いに認識することすら難しくなっているのです。
価値観が違うということを認識していないまま、自分が常識だと思っている考えや行動を相手に対して発信すると、それは時に「どうしてそんなことを押し付けられなければならないのだろう」「どうしてこんな当たり前のことができないのだろう」というすれ違いを生んでしまうのです。
すれ違いは次第に大きくなり、ハラスメントという形で考えや言動の押し付けがエスカレートしてしまうのです。

社会認知度の変化

これは、社会的にハラスメントという言葉が認知されたことにより、今まで水面下に隠れてきたハラスメントの実態が一気に浮上してきているという社会的な背景になります。しかし、これは決して悪いことではありません。ハラスメントに対する行政から企業に対する目も今後ますます厳しくなっていくことが予想されますし、企業が今まで目を向けなかった社内のハラスメント事情に真剣に見つめ直してくれるきっかけとなっています。以前であれば内部告発など気にもとめられないというケースが見受けられましたが、現在では何かしらの対策を講じてもらいやすい状況となっています。あなたが悪質なハラスメントを受けている場合は、内部告発の準備を整えておきましょう。そして、本当に「これは告発しないと変わらないな」と感じた時には、あなただけではなく今後ハラスメントを受ける可能性のある社員全員のためにも告発文を提出しましょう。

ハラスメントが起きた時の対処

あなたがハラスメントにあった時、どうしたら良いのでしょうか?
まずは、あなたがハラスメントの被害に遭った時に溜め込まない、アウトプットするんだという意識を持ちましょう。「自分が我慢すればいいんだ」と溜め込む行為は、ハラスメントで傷ついたあなたの心に対して、さらに負担をかけることになり、さらに重大な心の病を発症する危険を孕んでいます。
しかし、職場で信頼がおける人が居ないという方や、ご家族が居ても、家族だからこそ心配をかけられなくて相談ができないという方もいらっしゃいますよね。そういった方は、全国のハラスメント相談窓口という相談先があるということを知っておいてください。相談員はハラスメントについての理解がありますし、プライバシーを守ってくれます。周辺の人へのアウトプットが難しい方は、こういった窓口を活用して辛い想いを溜め込まないようにしましょう。

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